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ブラシの使い方

  

GIMPのブラシの使い方について

GIMPには、様々な形状のブラシが用意されています。 また、ブラシはサイズはもちろん、縦横比や角度などを細かく設定することもできます

それだけではなく、ブラシには "動的特性" と呼ばれる機能があります。 動的特性とは、入力機器(ペンタブレットやマウスなど)の筆圧や筆速に応じて描画の特性を変化させる機能です。

例えば、ゆっくり筆を動かすと線が太く濃くなり、素早く筆先を走らせると線が細く薄くなる、というような効果を得ることができます。 つまり、本物の筆やペン・鉛筆のように振る舞わせることができます

  
マウスでは筆圧は感知できませんので無視されます。 同様に傾き・ホイール/回転についてもマウスでは無視されます。

この記事では、GIMPのブラシの使い方について解説します。 なお、新たなブラシを追加する手順や自分でブラシを制作する手順については触れません。

GIMPのブラシを色々と試してみよう

では、GIMPのブラシで色々な操作を試してみましょう。 まずは、任意の大きさの新規画像を開いてください。

1. 新規画像を開く
1. 新規画像を開く

上図のように任意の大きさの新規画像を開きます。 今回は256 x 256ピクセルの画像を作成しました。

続いて、ツールを切り替えます。 ブラシを利用するツールなら何でもいいですが、今回はブラシツールを使いましょう

2. ブラシツールを選択
2. ブラシツールを選択

上図のようにツールボックスからブラシツールを選択します(またはキーボードのPを押します)。

次にブラシ(筆先)を選択します。 ブラシはブラシダイアログからもツールオプションからも選択できますが、今回はブラシダイアログから選択してみましょう

3. ブラシを選択
3. ブラシを選択

上図のようにブラシダイアログから "2. Star" ブラシを選択します。

ではここで、ツールオプションに注目してください

4. ツールオプションのブラシも連動している
4. ツールオプションのブラシも連動している

上図のようにツールオプションのブラシも "2. Star" になっています。 このようにツールオプションのブラシはブラシダイアログと連動します

では次に、ブラシダイアログの下部に注目してください

5. 間隔という設定項目しかない
5. 間隔という設定項目しかない

上図のように "間隔" という設定項目しかありません。 このように、ブラシダイアログではブラシの詳細な設定は行えないのです

では、どこでブラシの細かな設定を行えるのでしょうか。 おそらくみなさんも予想している通り、ツールオプションです

6. ツールオプションでブラシの細かな設定を行える
6. ツールオプションでブラシの細かな設定を行える

上図のようにツールオプションにブラシの設定項目群があります。

では、これらの設定項目群について色々と試してみましょう。 なお、まずは初期設定のままで線を引いてみましょう

7. 水平にゆっくりドラッグする
7. 水平にゆっくりドラッグする

上図のようにマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)で水平にゆっくりとドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。

  
ドラッグ操作はゆっくりと行ってください。
8. 一定間隔で星が描かれる
8. 一定間隔で星が描かれる

上図のように一定間隔で星が描かれます。 なお、間隔はツールオプションの設定項目の "間隔" に設定されている値が適用されます。

では次に、素早くドラッグしてみましょう。

9. 水平に素早くドラッグする
9. 水平に素早くドラッグする

上図のようにマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)で水平に素早くドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。

  
ドラッグ操作は素早く行ってください。
10. 素早くドラッグしてもゆっくりドラッグした場合と同じ間隔で星が描かれる
10. 素早くドラッグしてもゆっくりドラッグした場合と同じ間隔で星が描かれる

上図のように素早くドラッグしてもゆっくりドラッグした場合と同じ間隔で星が描かれます。 このように、ツールオプションの設定項目の "間隔" が同じであれば、ドラッグの速度が異なっていても同じ間隔で描かれます

ではここで、新規画像の状態に戻しておきましょう。 キーボードのCTRL+Zを2回押してください。


では次に、ブラシのサイズを変更してみましょう。 今回は小さくします。

11. サイズを 25 に変更
11. サイズを 25 に変更

上図のようにツールボックス下部のツールオプションにあるサイズを 25 に変更します

では、点を打ってみましょう。

12. 中心をクリックする
12. 中心をクリックする

上図のように中心をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

13. 星が小さく描かれる
13. 星が小さく描かれる

上図のように星が小さく描かれます。 サイズを小さくしたため、描かれる星型も小さくなりました。 このように、ツールオプションの設定項目の "サイズ" で筆先の大きさを変えることができます。

では、新規画像の状態に戻しましょう。 キーボードのCTRL+Zを押します。


では次に、ブラシの縦横比を変更してみましょう。 現在の "2. Star" ブラシでは効果がわかりにくいのでブラシを変えましょう。

14. ブラシを選択
14. ブラシを選択

上図のようにブラシダイアログから "2. Hardness 075" ブラシを選択します。

では、縦横比は初期設定のままで点を打ってみましょう。

15. 中心のやや上をクリックする
15. 中心のやや上をクリックする

上図のように中心のやや上をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

16. 円が描かれる
16. 円が描かれる

上図のように円が描かれます。 このように、縦横比が初期設定のままだとブラシダイアログの見本の通りに描かれます

では、縦横比を変更してみましょう。

17. 縦横比を 1 に変更
17. 縦横比を 1 に変更

上図のようにツールボックス下部のツールオプションにある縦横比を 1 に変更します

では、点を打ってみましょう。

18. 中心をクリックする
18. 中心をクリックする

上図のように中心をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

19. 横長の楕円が描かれる
19. 横長の楕円が描かれる

上図のように横長の楕円が描かれます。 このように、縦横比を 0 以外に設定することで縦と横の比率を変更することができます。

縦横比に正の値を設定するとブラシの高さが変化し、負の値を設定するとブラシの幅が変化します。

では次に、縦横比を負の値に変更してみましょう。

20. 縦横比を -1 に変更
20. 縦横比を -1 に変更

上図のようにツールボックス下部のツールオプションにある縦横比を -1 に変更します

では、点を打ってみましょう。

21. 中心のやや下をクリックする
21. 中心のやや下をクリックする

上図のように中心のやや下をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

22. 縦長の楕円が描かれる
22. 縦長の楕円が描かれる

上図のように縦長の楕円が描かれます。 縦横比に負の値を設定したため縦長になりました

ではここで、新規画像の状態に戻しておきましょう。 キーボードのCTRL+Zを3回押してください。


続いて、ブラシの角度を変更して色々試してみましょう。 現在の "2. Hardness 075" ブラシでは効果がわかりにくいのでブラシを変えましょう。

23. ブラシを選択
23. ブラシを選択

上図のようにブラシダイアログから "2. Star" ブラシを選択します。

では、角度は変更せずに点を打ってみましょう。

24. 中心のやや上をクリックする
24. 中心のやや上をクリックする

上図のように中心のやや上をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

25. 星が描かれる
25. 星が描かれる

上図のように星が描かれます。 描かれますが、少し気持ち悪いところがあります。 それは、真上を向いている頂点がないことです。 "星" ならば真上を向いている頂点が欲しいところです。

頂点を真上に向けるにはブラシを回転させる必要があります。 現状、真下を向いている頂点がありますので "180度回転させればいい" ということがわかります。

角度は、ツールボックス下部のツールオプションにある角度で設定することができます。 現在、角度には 17.5 が設定されていますので、これを -162.5 に変更しましょう。

  
現在、角度には 17.5 が設定されていますので、180 を引いて -162.5 を設定します。
  
角度には -180 から 180 の範囲の値しか設定することができません。 そのため、17.5 に 180 を足した 197.5 を設定することはできません。
26. 角度を -162.5 に変更
26. 角度を -162.5 に変更

上図のようにツールボックス下部のツールオプションにある角度を -162.5 に変更します

では、もう一度点を打ってみましょう。

27. 中心のやや下をクリックする
27. 中心のやや下をクリックする

上図のように中心のやや下をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

28. 頂点が真上を向いた星が描かれる
28. 頂点が真上を向いた星が描かれる

上図のように頂点が真上を向いた星が描かれます。 目指した通りに、頂点の1つが真上を向いています

ではここで、新規画像の状態に戻しておきます。 キーボードのCTRL+Zを2回押してください。


続いて、ブラシの硬さを変えてみましょう。 ブラシは引き続き "2. Star" ブラシを使います。

まずは、ブラシの硬さを 100 にします(おそらくすでに 100 が設定されていると思います)。

29. 硬さを 100 に変更
29. 硬さを 100 に変更

上図のようにツールボックス下部のツールオプションにある硬さを 100 に変更します

では、点を打ってみましょう。

30. 中心のやや上をクリックする
30. 中心のやや上をクリックする

上図のように中心のやや上をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

31. 星がくっきりと描かれる
31. 星がくっきりと描かれる

上図のように星がくっきりと描かれます。 全体的にハッキリ・くっきりと描かれているのがわかります。 このように、ブラシの硬さを上げると、まるでスタンプで押したかのように "くっきり" と描かれます。

では次に、ブラシの硬さを 25 に下げてみましょう。

32. 硬さを 25 に変更
32. 硬さを 25 に変更

上図のようにツールボックス下部のツールオプションにある硬さを 25 に変更します

では、同じように点を打ってみましょう。

33. 中心のやや下をクリックする
33. 中心のやや下をクリックする

上図のように中心のやや下をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

34. 星が柔らかく描かれる
34. 星が柔らかく描かれる

上図のように星が柔らかく描かれます。 ハッキリしているのは中心部だけで、端に近づくほど柔らかく "ぼやけて" います。 このように、ブラシの硬さを下げると、端に近づくほど "ぼやけて" 描かれます。

では、ブラシの硬さを 100 に戻しておきましょう。

35. 硬さを 100 に戻す
35. 硬さを 100 に戻す

上図のようにツールボックス下部のツールオプションにある硬さを 100 に戻します

さらに、新規画像の状態に戻しておきましょう。 キーボードのCTRL+Zを2回押してください。


続いて、ブラシの強さを変更してみましょう。 引き続き "2. Star" ブラシを使います。

まずは、ブラシの強さを 100 にします。

36. 強さを 100 に変更
36. 強さを 100 に変更

上図のようにツールボックス下部のツールオプションにある強さを 100 に変更します

では、点を打ちましょう。

37. 中心のやや上をクリックする
37. 中心のやや上をクリックする

上図のように中心のやや上をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

38. 星が色濃く描かれる
38. 星が色濃く描かれる

上図のように星が色濃く描かれます。 色濃く "くっきり" と描かれているのがわかると思います。 このように、ブラシの強さを上げると、前景色の色そのままで塗られます

では次に、ブラシの強さを 25 に下げてみます。

39. 強さを 25 に変更
39. 強さを 25 に変更

上図のようにツールボックス下部のツールオプションにある強さを 25 に変更します

では、同じように点を打ってみましょう。

40. 中心のやや下をクリックする
40. 中心のやや下をクリックする

上図のように中心のやや下をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

41. 星が薄く描かれる
41. 星が薄く描かれる

上図のように星が薄く描かれます。 このように、ブラシの強さを下げると、色を薄くしたように塗られます

ただし、本当に薄くした色で描かれているわけではありません。 キャンバス上の元の色とブラシで塗ろうとしている色がブレンドされているのです。 もし、キャンバス上に何かが描かれていたのであれば、その元の絵も残ります

では、ブラシの強さを 50 に戻しておきましょう。

42. 強さを 50 に戻す
42. 強さを 50 に戻す

上図のようにツールボックス下部のツールオプションにある強さを 50 に戻します

さらに、新規画像の状態に戻しておきましょう。 キーボードのCTRL+Zを2回押してください。

次の記事へ

では、長くなりましたので、ここで一区切りします。 続きは次の記事を参照ください

  
  

まとめ

GIMPには、様々な形状のブラシが用意されています。 また、ブラシはサイズはもちろん、縦横比や角度などを細かく設定することもできます。 ブラシの設定は、ツールボックス下部のツールオプションで調整することができます。

設定項目 意味
サイズ 筆先の大きさ
縦横比 筆先の縦横比
※正の値を設定するとブラシの高さが変化する
※負の値を設定するとブラシの幅が変化する
角度 筆先の回転量
間隔 塗りの間隔
硬さ 筆先の硬さ
※硬さを上げると全体がくっきり描かれる
※硬さを下げると周辺が柔らかく描かれる
強さ 筆先の強さ
※強さを上げると元の色が置き換えられる
※強さを下げると元の色が残る
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