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明るさとコントラストの調整

明るさとコントラストを手動で補正する

前の記事では自動的な色の調整について説明しました。 ここからは、手動での色の調整の説明に入ります。

この記事では、『明るさとコントラストの補正』について説明します。 少し手間がかかりますが、自動的な補正に比べて細かな調整を行うことができます。

最初に『明るさ』と『コントラスト』の意味について説明し、続いて明るさとコントラストの補正方法について解説します。

明るさについて

明るさには『明度』と『輝度』と『光度』があります。 どれも明るさを表す数値ですが、計算方法が異なります。

明度は赤・緑・青成分の最大値です。 つまり、赤色も緑色も水色も、全て同じ100%の明るさということになります。

赤成分の強度 緑成分の強度 青成分の強度 明度
赤色 100% 0% 0% (100 + 0) / 2

→ 100
緑色 0% 100% 0% (100 + 0) / 2

→ 100
水色 100% 100% 0% (100 + 0) / 2

→ 100

輝度は赤・緑・青成分の最大値と最小値の平均です。 つまり、赤色も緑色も水色も、全て同じ50%の明るさということになります。

赤成分の強度 緑成分の強度 青成分の強度 輝度
赤色 100% 0% 0% (100 + 0) / 2

→ 50
緑色 0% 100% 0% (100 + 0) / 2

→ 50
水色 100% 100% 0% (100 + 0) / 2

→ 50

光度は人間の目が感じる明るさで、赤成分 x 0.22 + 緑成分 x 0.72 + 青成分 x 0.06で計算されます。

赤成分 緑成分 青成分 光度
赤色 100% 0% 0% (100 x 0.22) + (0 x 0.72) + (0 x 0.06)

→ 22
緑色 0% 100% 0% (0 x 0.22) + (100 x 0.72) + (0 x 0.06)

→ 72
水色 100% 100% 0% (100 x 0.22) + (100 x 0.72) + (0 x 0.06)

→ 94
  
上記の光度の計算は、HDTV方式の計算方法です。 GIMPではHDTV方式の係数を採用しているようです。
  
NTSC方式では、赤成分 x 0.30 + 緑成分 x 0.59 + 青成分 x 0.11で計算されます。 GIMP内ではNTSC方式の計算式は使われていないと思います。

実際に輝度と光度で画像をモノクロ化してみましょう。

  
明度でモノクロ化する機能はGIMPには搭載されていないと思われます。

上図のように黒色、青色、緑色、水色、赤色、紫色、黄色、白色の画像を用意します。

まずは、輝度でモノクロ化します。

上図のように青色から黄色までが50%の灰色に変換されます。 このように、色の判別がつかなくなります

次に、光度でモノクロ化します。

上図のようにそれぞれの色が判別できる濃淡があります。 このように、白黒フィルムで撮影したような結果になります

コントラストとは

コントラストとは、明るい部分と暗い部分の明るさの差のことを表します。 なお、ここでいう明るさとは、明度の場合もあれば輝度や光度の場合もあります

  
『明度コントラスト』や『輝度コントラスト』・『光度コントラスト』と明記されてれば、明度なのか輝度なのか光度なのかわかりますが、『コントラスト』という表現であればどちらなのかはわかりません。 ただし、一般的には光度の差を表すことが多いです。
  
『コントラストが高い写真』とは、暗い部分はより暗く、明るい部分はより明るく表現されているメリハリのある写真のことです。
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明るさとコントラストの補正

『明るさ・コントラストの調整』の機能を紹介します。 この機能は、明るさ・コントラストを手動で調整するためのものです。

暗い写真や発色が弱い写真の補正に使える機能です

  
ここでいう『明るさ』は明度のことであり、輝度や光度のことではありません。 また、コントラストも同様に、明度コントラストのことであり、輝度コントラストや光度コントラストのことではありません。

では、実際に補正してみましょう。

1. 補正前の写真
1. 補正前の写真

上図のように補正する写真を開きます。 見ての通り暗い上に発色の弱いメリハリのない写真です

続いて、『明るさ-コントラスト』ウィンドウを開きます。

2. 色(C) -> 明るさ-コントラスト(R)...を実行
2. 色(C) -> 明るさ-コントラスト(R)...を実行

上図のようにプルダウンメニューの"色(C) -> 明るさ-コントラスト(R)..."を実行します。

3. 明るさ(B)を+50、コントラスト(T)を+50に
3. 明るさ(B)を+50、コントラスト(T)を+50に

上図のように『明るさ-コントラスト』ウィンドウが開きますので、明るさ(B)を +50 に、コントラスト(T)を +50 に変更し、[OK(O)]ボタンを押します。

4. 補正後の写真
4. 補正後の写真

上図のように補正されます。 明度とコントラストが高くなったことで、明るくメリハリのある写真になりました。

  
今回の例では、補正の効果をわかりやすくするため不自然なほど強調しました。
  
『明るさ・コントラストの調整』の機能は写真の補正で良く利用します。 後ほど別の記事で説明する『レベル』や『トーンカーブ』のような細かな調整はできませんが、大量の写真を補正するにはとても良い機能です。
  
明るさ、コントラストともに少し上げるだけで簡単に見栄えの良い写真に生まれ変わります。

大切な写真の補正には向かない

紹介した『明るさとコントラストの補正』は、前の記事で説明した自動的な色の調整と同じく、大量の写真をそれなりの品質で補正するには向いていますが、大切な写真の補正には向いていません。

大切な写真の補正には、『レベル』と『トーンカーブ』で補正すべきです。

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まとめ

『明るさ』とは、明度または輝度または光度のことです。 明度と輝度はRGBカラーモデルでの計算上の明るさ、光度は人間の目が感じる明るさです。 『コントラスト』は明暗の差のことで、『コントラストの高い写真』というのは、暗い部分と明るい部分の差が大きな写真のことです。

明度とコントラストは『明るさ-コントラスト』ウィンドウで補正することができます。

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