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モノクロ化

  

白黒写真にしてみよう

この記事では、写真を白黒にする手順について説明します。 『写真を白黒にする』とは、つまり、モノクロ化のことです。

 

GIMPで画像をモノクロ化するには、いくつかの方法があります。 ここでは、それぞれの方法について説明します。

カラーモードをグレースケール形式にする

まずは、カラーモードをグレースケール形式にする方法です。 カラーモードをグレースケール形式に変更すると、画像は自動的にモノクロ化されます

なお、計算式は、明度でも輝度でもなく光度です。 つまり、赤成分 x 0.22 + 緑成分 x 0.72 + 青成分 x 0.06で計算されます。

光度でモノクロ化されるため、人間の目が感じる明るさと近い結果になります

では、実際にモノクロ化してみましょう。

1. 補正前の写真
1. 補正前の写真

上図のようにモノクロ化する写真を開きます。 上部にあるカラーバーはモノクロ化の結果をわかりやすくするために描き加えたものです

では、モノクロ化を実行します。

2. カラーモードの変更
2. カラーモードの変更

上図のようにプルダウンメニューの"画像(I) -> モード(M) -> グレースケール(G)"を実行します。

3. 補正後の写真
3. 補正後の写真

上図のようにモノクロ化されます。 光度でモノクロ化されているため、上部にあるカラーバーは濃淡が残っています

  
カラーモードは、グレースケール形式のままでもいいですし、RGB形式やインデックス形式に戻してもよいでしょう。

彩度を0(ゼロ)にする

続いては、彩度を0(ゼロ)にする方法です。 彩度を0にすると色味がなくなり、結果、モノクロ化されます。

なお、彩度を0にするということは輝度を求めるということです。 つまり、赤・緑・青成分の強度の最大値と最小値の平均となります。

輝度でモノクロ化されるため、メリハリのない結果になります。 明るさの分析のために使うぐらいしか、利用する場面は思いつきません。

では、実際にモノクロ化してみましょう。

1. 補正前の写真
1. 補正前の写真

上図のようにモノクロ化する写真を開きます。

続いて、『色相-彩度』ウィンドウを開きます。

2. 色(C) -> 色相-彩度(S)...を実行
2. 色(C) -> 色相-彩度(S)...を実行

上図のようにプルダウンメニューの"色(C) -> 色相-彩度(S)..."を実行します。

3. 彩度(S)を-100に
3. 彩度(S)を-100に

上図のように『色相-彩度』ウィンドウが開きますので、彩度(S)を -100 に変更し、[OK(O)]ボタンを押します。

4. 補正後の写真
4. 補正後の写真

上図のようにモノクロ化されます。 輝度でモノクロ化されているため、上部にあるカラーバーは青色から黄色までが50%の灰色(808080)になっています

脱色する

続いては、脱色の機能を利用する方法です。 計算方法は、光度・輝度・明度・平均の4通りから選ぶことができます

では、実際にモノクロ化してみましょう。 なお、今回は光度でモノクロ化します

1. 補正前の写真
1. 補正前の写真

上図のようにモノクロ化する写真を開きます。

続いて、脱色ウィンドウを開きます。

2. 色(C) -> 脱色(E) -> 脱色(D)...を実行
2. 色(C) -> 脱色(E) -> 脱色(D)...を実行

上図のようにプルダウンメニューの"色(C) -> 脱色(E) -> 脱色(D)..."を実行します。

3. Luminanceを選択
3. Luminanceを選択

上図のように脱色ウィンドウが開きますので、モードに "Luminance" を選択し、[OK(O)]ボタンを押します。

4. 補正後の写真
4. 補正後の写真

上図のようにモノクロ化されます。 モードに "Luminance" を選択したことで光度によるモノクロ化が行われました。 なお、各モードでの計算方法は以下の通りです。

モード 計算式 備考
Luminance
光度
赤成分 x 0.22 + 緑成分 x 0.72 + 青成分 x 0.06 カラーモードをグレースケール形式にする方法と同じ結果になる
Luma
光度
赤成分 x 0.22 + 緑成分 x 0.72 + 青成分 x 0.06 -
Lightness
(HSL)
輝度
(赤・緑・青成分の最大値 + 赤・緑・青成分の最小値) / 2 彩度を0にする方法と同じ結果になる
Average
(HSI Intensity)
平均
(赤 + 緑 + 青成分) / 3 -
Value
(HSV)
明度
赤・緑・青成分の最大値 -

モードの "Luminance" と "Luma" の違いは線形化されているかどうかです。 "Luminance" はリニアRGB(線形化されている)で、"Luma" はsRGB(線形化されていない)です。

  
sRGBは国際的な色空間の規格の一つで、中間階調が明るく補正(ガンマ補正)されています。 これは、昔のブラウン管のテレビやモニタが中間階調を本来よりも暗く表示してしまうという特性に合わせた帳尻合わせです。 一方、リニアRGBはガンマ補正されていません。
  
  

まとめ

画像をモノクロ化するには、カラーモードをグレースケール形式へ変更する方法、彩度を0(ゼロ)にする方法、脱色の機能を使う方法があります。

 
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